君は俺の事を覚えているのだろうか。
俺は君の事を永遠に忘れないだろう。
いや忘れられないだろう。
左頬に刻まれた十字傷と共に。
深く、強く刻まれているから。
この傷が俺と君の生きた証、
そして君と清里殿が結ばれた証。
この傷はたまに血を流すかとがある。
俺が一人で幕末を思い返し一人泣いている時。
だらだらと下へ下へ堕ちていく。
君も泣いてくれてるのかな
こんな俺にも同情してくれてるのかな。
夏真っ盛りの京都の午後。
緋村剣心は、水桶と尺と共に静かに来た場所へと帰って行った。

『また来るよ、巴。』
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